受賞報告

細井健一郎准教授がInternational Neonatal Consortium (INC) Data Pioneer Awardを受賞しました。

医学部小児科学教室の細井健一郎准教授が、11月15・16日にWashington DCで開かれたINC annual meetingで、Data Pioneer Awardを受賞しました。

 

INCは、世界30以上の国が参加して新生児の難治疾患に対する新規治療、医薬品の開発を推進する国際組織です。米国食品医薬品局(FDA)などの資金によって運営されているCritical Path Institute(C-Path)の新生児分野を専門とした組織で、早産児の慢性肺疾患や脳室周囲白質軟化症、壊死性腸炎などに対する新規治療開発を推進しています。

その取り組みの一環として患者情報の電子データ(EPR)を集積するReal World Data(RWD) プロジェクトが行われています。数多くのデータを集積して新生児の血圧や血液検査データの基準値を策定し、新規治療や薬剤の開発に役立てることがRWDの目的です。

細井准教授は、本学で得られた新生児のデータを日本から初めてC-Pathへ提供し、その功績をたたえて受賞に至りました。集積されたデータはINC と C-Path のデータサイエンティストによって解析が行われています。

新生児臨床研究ネットワーク理事長で本学元客員教授の楠田聡先生は、「これは日本の新生児研究ネットワークが国際共同研究に参加する重要なマイルストーンであり、新生児の薬物療法の開発と新生児の死亡や障害の原因解明に新たな光をあてるでしょう。」と述べています。INCエグゼクティブ ディレクターのKanwaljit Singh博士は、「新生児に対する医薬品の開発は、世界的にもまだニーズが満たされていないことは明らかであり、INCと日本の連携はとても重要で、新規治療の開発を加速させることにつながることが期待されます。」と述べています。

細井准教授は、「このような素晴らしい賞をいただき光栄です。データの集積に関わったすべての方々に感謝を申し上げます。私たちが収集したデータをもとにして、世界の新生児医療がさらに前進することを願っています。」とコメントしています。